試合で活躍する選手の条件|NOZAWANAで1番大切にしているサポート

試合で活躍する選手の条件|NOZAWANAで1番大切にしているサポート

サッカーの試合で活躍する選手に共通するスキルといえば、何が浮かびますか?

  • ネイマールのように相手を抜くドリブル
  • イニエスタのようなパス
  • メッシのようなテクニック

どれも試合で活躍するために必要なスキルです。

ただ、同様に大切にするべきスキルが他にもあると、NOZAWANAの代表である勝山氏はいいます。

それが、味方をサポートするスキルです。

サッカーの試合では、ボールを持ってプレーする時間は3〜5分ほどと言われています。

ボールを持っていない時間の方がはるかに長く、ボールを持っていない時のプレー(サポート)次第で、試合で活躍できるかどうかが決まります。

この記事では、試合で活躍するために、ドリブルやパスの基本技術と同様に、”おざなりにされがちな”サポートスキルが大切な理由をお伝えします。

ぜひ参考にしてみてください。

試合で活躍する選手の特徴

北澤

試合で活躍する選手の特徴は、ドリブル、パス、シュート、ディフェンスが上手い選手ではないのでしょうか?

勝山

ドリブルやパス、シュートやDFが上手いことは、もちろん大切です。
 

ただ、ドリブルでディフェンスを抜いたり、スルーパスでゴールを演出するには、”ボールを持っている”必要がありますよね。
 

ドリブルが上手くても、パスが上手くても、ボールを持てなければ試合で活躍することはできません。

北澤

確かに。
 

メッシやC・ロナウドも、ボールをもらわないと活躍のしようがありません。
 

勝山さんがいう”サポート”とは、どんなものでしょうか?

勝山

例えば、ノザワナで教えている攻撃時のサポートをシンプルに表すと「味方を助けてあげる」ことになります。
 

ボールを受けてあげる。

ボールをもらわずにスペースを作ってあげる。
 

言葉にすると簡単ですが、味方を助けてあげるには、
 

・タイミングを取る

・マークを外す

・味方からのパスが相手に取られないパスコースに入る

・相手のプレスに合わせてポジショニングを変える

・等々
 

たくさん考えて判断する必要があります。

ドリブルやテクニックよりサポートが大切な2つの理由

勝山

ドリブルやパスよりサポートが大切な理由は、次の2つです。
 

チームとして選択肢が増えて、チャンスが増える

 
ボールを受けてプレーする回数が増える

1:チームとして選択肢が増えて、チャンスが増える

勝山

良いサッカー選手の特徴は、次の3つがあります。
 

・プレーの選択肢がたくさんある

・たくさんの選択肢の中から良い選択ができる

・プレーの成功率が高い
 

日本代表だと、久保選手や田中碧選手は、プレーの選択肢をたくさん持っていて、その中から良い選択ができる選手といえます。
 

そして、技術がありプレーの成功率も高い。
 

また、久保選手も田中碧選手も、チームの選択肢を増やすことが上手いです。
 

自分の選択肢もたくさん持っているし、チームの選択肢、仲間の選択肢を増やしてあげることができる。
 

だから、若くても日本代表に入れて、海外でも活躍できるわけです。
 

チームの選択肢を増やしてあげるには、良いサポートが必要です。
 

例えば、ドリブルの上手い選手がいたとします。
 

試合中ペナルティーエリア付近で、ドリブルを仕掛けました。
 

そのとき、ドリブルしか選択肢がないとしたら、ディフェンスも対応しやすくなりますよね。

同じ状況で、ドリブルができて、パスコースが2つあるとしたら、ディフェンスに迷いが生まれます。

選択肢が3つある中でドリブルを仕掛けたら、ディフェンスを抜ける可能性は高くなります。
 

つまり味方のサポートがあると、ドリブルが上手い選手は才能を発揮しやすくなるということです。

2:ボールを受けてプレーする回数が増える

勝山

例えば、メッシのようにドリブルが上手い選手でも、ボールに触らなければ活躍できません。
 

1試合の中で、5回しかボールに触れないのと、15回ボールに触れるのでは、活躍できるチャンスも変わります。
 

また、ドリブルが上手い選手になると、相手チームから厳しいマークをされることが増えます。
 

マークされてもボールを受けるには、サポートの質が大切になってきます。
 

サポートは、タイミングとポジショニングと言い換えることもできます。
 

味方がボールを出しやすいタイミングで、パスが通るポジションにサポートしにいく。
 

2、3手先のプレーをイメージして、先読みしてボールがもらえるポジションに、味方のタイミングに合わせて動く。
 

サポートが上手くなると、ボールを受けられる回数が増えるので、試合で活躍できる可能性が高くなるわけです。

指導者も見落としがちなサポート不足による現象例3つ

サポートが上手いサッカー選手とチーム

北澤

サポートが上手い選手は、久保選手や田中碧選手と伺いました。
 

サポートが上手いチームは、どこになるのでしょうか?

勝山

今だと、マンチェスターシティは、チーム全体でサポートが上手いです。

メッシ、イニエスタ、シャビがいた頃のバルセロナも、サポートが上手かったです。
 

パスがよく回るチームは、選手全員がサポートが上手いといえます。
 

一人ひとりが、次の次の先までイメージしながら動くので、常にパスコースが2つ3つとある状態が作れます。
 

どんなにパスやトラップが上手くても、パスコースがなければパスを出せません。
 

パスコースを作るのは、味方のサポートがあってこそ成立します。
 

マンチェスターシティの試合を観る機会があれば、サポートを意識して観ると、学びや発見、気づきがたくさんあるはずです。
 

マンチェスターシティでなくても、サッカーの試合を観る時に、先程の動画でお伝えしたように、サポートを意識して観ることをおすすめします。
 

なにが良いサポートで、なにが悪いサポートか分かるようになってくるはずです。

NOZAWANAで教えているサポート意識とポジショニング

北澤

NOZAWANAでは、サポートの意識やポジショニングは、どうやって教えているのでしょうか?

勝山

”自然と味方をサポートできる状態”になるように、練習中から意識付けをしています。

ただ、今日お話ししたサポートの話は、ごく一部です。
 

私がコーチとして勉強させて頂いた時のバルサスクールやエコノメソッドでは

・ボールの状況

・相手のプレス状況

・ポジション

・プレーエリア

・攻守
 

などによって細かくサポート方法があります。
 

数年前のNOZAWANAでは、子どもの夢を叶えるために、サポートについても細かく教えていました。
 

今は、理論から先に教えることは辞めています。

北澤

理論から先に教えることを辞めたのは、なぜでしょうか?

勝山

子どもたちの可能性を広げるためです。
 

サポートの具体的な理論は、今でも毎年アップデートしています。
 

ただ、子どもたちには、細かく教えずに「感じること」を意識させるようにしています。
 

 

例えば、

 

「ボールを持っている味方は、どこにいて欲しいか」

 

「ボールを持っている味方から見て、どこにいるとボールを出しやすいか」

 

「ボールを持っている味方と、どうしたら繋がれるか」

 

「味方とのつながりを相手DFに邪魔されていないか」
 

感覚的な部分を教えながら、自然とサポートできるように指導しています。

北澤

ボールを持っている味方とつながる、というお話がありました。
 

味方とつながるとは、どういうことでしょうか?

勝山

味方と気持ちを合わせる。

 

相手の気持ちを感じる。

 

「相手がどこにいて欲しがってるか?」

 

「いつ出そうとしているか?」

 

「困っているか、余裕なのか?」

 

など、相手の気持ちや考えを感じ取ることを『繋がろう、感じよう』とも声をかけています。

北澤

その伝え方で、子ども達は成長していくのでしょうか?

勝山

それは、練習で獲得させていきます。

 

練習で、「相手を感じる練習」「相手と繋がった”感”」を”体感”できる練習をして、”体で覚えていきます”

 

そうすると言葉の意味は分からないけど、なんとなく体で出来てしまう。と言うことがおきます。

北澤

ポジショニングの話を細かくするより、つながると伝えた方が、子どもは飲み込みが早そうですね。

勝山

特に、年長さんや低学年の子どもたちは、つながるという感覚を教える方が飲み込みが早いです。
 

もちろん論理的に説明して、頭で理解するように教えることもできます。
 

ですが、頭で理解するまでに時間がかかったり、頭で理解できない状況になった時に、対応できない子どもが出てきてしまうのです。

今は子どもたちに、”感じられること”をとても大切に意識して教えています。

どこに行っても活躍できる選手

北澤

ノザワナで指導するサポート方法は、ここ数年で変わったと伺いました。
 

サポートを細かく指導していたところから、”感じられること”を意識させるようにしたと。

なぜ、指導方法を変えようと思ったのでしょうか?

勝山

子どもたちがノザワナを卒団し、次のステージへ行っても活躍できるようにするためです。
 

どこに行っても活躍して欲しい、活躍できる選手にして送り出したい。
 

そう思い、指導方法を変えました。

北澤

お話を聞いて、疑問に思ったことがあります。
 

子どもは、具体的に指導された方が分かりやすく、動きやすいかとも思ったのですが、それではダメだったのでしょうか?

勝山

ダメではありませんし、頭を使いながらプレーするので、賢い選手が育っていたと思います。

ただ、弊害もありました。
 

頭でっかちになる可能性があったことです。
 

ノザワナでは、試合で活躍するために最先端のサッカーを教えていました。
 

ボールを持った味方の状況や、相手のプレス状況に合わせたサポート方法は、とても頭を使います。

頭を使うサッカーは楽しいものです。
 

プレーのイメージを共有できるし、なにが良くて、なにが悪いかが明確に分かります。

ただ、すべてのチームが頭を使ってサッカーをするとは限りません。

北澤

私は高校までサッカーをしていましたが、クラブでも部活でも、ドリブルやパスやテクニックばかり教えられていました。

試合中のサポート方法を、細かく指導されたことはありません。

勝山

私も教わったことはありません(笑
 

昔のノザワナで教えていたサッカーは、とても頭を使います。感覚より頭重視です。
 

子どもが上のカテゴリーへ上がった時、頭を使いながらサッカーをするチームであれば、子どもはすぐに対応できます。
 

ですが、もっと感覚的にサッカーをするチーム、ダイナミックにサッカーをするチームの場合、物足りなくなったり、適応できない場合もあると思ったのです。

北澤

私が子どもだったら、頭を使えないチームメイトがいたら「なんでこうしてくれないんだろう」と、考えが合わないことに不満を持ってしまうかもしれません。

勝山

それは子どもたちにとっても、周りにいる人も、幸せにならないなと思いました。

 

だから、指導者は、試合中のサポート方法や試合で活躍する方法を論理的に持っている。

 

そしてそれを、いつでも教えられる状態でいる。

 

ただし子どもたちには、論理的なことを感覚的にできる状態、「気づいたらできちゃってた」となれるように指導しています。

 

上のカテゴリーへ上がると、監督もチームも変わります。

 

 

監督とチームが変わると、やっているサッカーも変わります。

 

どんな監督やチームでも活躍できる選手になるには、適応力が必要です。

 

適応力は”感じること”とも言えます。

 

試合に出るには、

監督と仲間が考えていることを感じる。

監督と仲間がして欲しいことを感じる。

 

ノザワナのOBの選手に聞いても、監督や仲間が求めていることを感じ、それに合わせている選手は、次のチームに行っても中心選手として試合に出場しています。

 

反対に、試合に出られない選手は、感じることができていないことが多いです。

 

感じることは、中学、高校、社会人になった時にも役に立ちます。

 

会社内で評価を得るには、上司や同僚がなにをして欲しいか感じる。

 

仕事で成果を上げるには、お客さんが何をして欲しいか感じる。

 

試合で活躍するにも、

 

上のカテゴリーへ上がっても、

サッカーから離れても、

社会に出ても、

 

活躍できる人になってほしくて、感じられる人(選手)になることを教えています。

まとめ

試合で活躍するには、ドリブルやパスの上手さと同様に、ボールを持っていない時のサポートも大切とお聞きしました。

サポートが大切という話しを聞いたことはあっても「なぜ大切なのか」よく分からない保護者の方も多かったのではないでしょうか。

日本のサッカー界では、試合中のサポートよりも、ドリブル、パス、シュートのうまさやテクニックだけが重要だと考えられがちです。

その結果、1対1は上手いけど試合は活躍できない。

練習は上手いけど、試合になると才能を発揮できない選手がたくさんいます。

サポートが上手くなると、試合中にボールに触る機会が格段に増えます。

ボールに触れる回数が増えると、試合で活躍できるチャンスも増えます。

練習で身につけた成果を披露する機会も増えます。

そして何より、チームに必要なプレーをして、チームに必要とされる選手になっていけます。

今回、勝山氏に聞いた、サポートの上手い選手やチームのプレーを意識してご覧になってみてください。

お子さんが試合中にボールをたくさん触り、活躍するヒントが見つかるはずです。

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